肌や地球に優しいイメージで、世界にも広く普及する「オーガニックコスメ」
実は、このオーガニックコスメという言葉は「自然療法を再評価し、それを現代の生活の中によみがえらせたい」との思いから、2001年に日本で作られた言葉なのだそうです。
すなわち、オーガニックコスメの本来の意味は「世界各地の伝統的な自然療法に学び、安全性が高い天然成分を使いましょうという考えの元に作られた化粧品」です。
そんなオーガニックコスメも、今では様々なメーカーや種類があり、選ぶのに迷ってしまうほど。
ここでは、そんな「オーガニックコスメ」について、メリット・デメリットや選び方なども含め、より具体的にご案内したいと思います。
オーガニックコスメのメリットとデメリット
オーガニックコスメは「オーガニック製品の明確な基準がない」というデメリットがありますが、「リラックス効果」「肌本来の美しさを引き出す」というメリットがあります。
基本的には有機栽培された植物由来の成分が使われている「オーガニックコスメ」。
石油由来や動物由来の成分を使用せず、植物由来の成分がメインのものが多い為、肌が敏感な方や地球に優しい暮しを心掛けている方は特に気になりますよね。
ここでは更に具体的に、オーガニックコスメならではの良さについてご案内します。
オーガニックコスメを使うかどうか迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
メリット①:自然な香りから得られるアロマテラピー効果
植物由来の成分が中心のため、合成香料による香りではなく、天然の香りによる心身のリラックス作用が期待できます。
強い香料は使用せず、植物本来の自然な香りです。
メリット②:植物が持つ天然成分の働きにより、肌本来の力を高める
オーガニックコスメのメリットは肌が元々持っている機能を引き出すサポートをすること。うるおいを与え、乾燥から肌を守り、整える効果が期待できます。
植物は、その成長過程で大地から栄養を吸収しながら成長する為、生育する土壌はとても大切です。
有機栽培植物が育つ土は、 化学農薬や化学肥料 を使用していないため、多くの微生物が存在します。
そのため、 オーガニック栽培で育てられた植物は、通常の栽培方法よりも栄養価が高いと言われています。
豊かな土壌で、手間をかけ大切に育てられた貴重な植物が原料となるため、その植物から生み出される成分の様々な働きにより、肌を本来の健やかな状態に導いてくれると言われています。
メリット③:肌にも環境にも優しい
化学農薬や化学肥料を使わず、水・土・大気を汚染から守る有機栽培。
その有機栽培による植物から得られる「オーガニック原料」をベースにしている為、環境に優しい事はもちろん、化学成分を含まないので作用が穏やかで、肌にも優しいと言われています。
では次に、オーガニックコスメのデメリットを紹介していきます。
一般的に、良い印象を抱く人が圧倒的に多いであろう「オーガニックコスメ」ですが、勿論、マイナス面もあります。
デメリットを知った上で商品を選ぶ事で、使用後の満足感が大きく異なりますので、ポイントを押さえておきましょう。
デメリット①:肌が弱い人は注意
オーガニックコスメは即効性があり効き目が強いのが特徴なので、肌が弱い人は注意が必要です。
有機栽培で丁寧に育てられた植物由来の成分を使っていたとしても、その成分がその人の肌との相性が合わない場合、痒み、赤み、発疹など、様々なアレルギー反応が出てしまう事も考えられます。
デメリット②:保存が長く効かない
オーガニックコスメには保存料・防腐剤不使用の化粧品もあるので、保存が長く効かない場合があります。
製造年月日 の明記されていない一般的な化粧品は「 製造後適切な保存条件のもとで三年以内に性状及び品質を保つように作らなければならない」と厚生労働省により定められています。
( 製造年月日が表示されているものはこの限りではありません)
オーガニックコスメには、基本的には保存料や防腐剤などの配合が無いため、使用期限や保存方法などに注意が必要なものが多く存在します。
その為、商品の注意書きなどを良く確認し、正しく保管・使用する必要があります。
デメリット③:オーガニック製品の明確な基準がない
現在日本にはオーガニック製品であるという明確な基準が存在していません。
そのため正しい選び方を知るのが大切です。
デメリット④:ランニングコストがかかる
スーパーなどに並んだ有機栽培の野菜達。
形は均一でなくても、色が濃く、とても美味しそう。
でも、高い!と、延ばしかけた手を引いた事のある方も多いのでは?
同様に、オーガニックコスメも一般的なコスメの価格と比較して贅沢な価格帯である事が殆どです。
デメリット⑤: 使用感がケミカルコスメほど安定していない
化粧品の使用感を大きく左右する合成ポリマーやシリコンなどは基本的に配合しない為、滑らかさ、つるつる感、粘度などが一般的なコスメと比較して劣る場合もあります。
また、乳化剤である合成界面活性剤を使わない為、乳液など「水分と油分の混ざったもの」は時間が経つと分離しやすい事もあります。
オーガニックコスメについて
「オーガニック」とは、 化学農薬や化学肥料を使わない「有機栽培」を意味します。
なので「オーガニックコスメ」とは、一般的に「有機栽培で育てられた植物由来の原料を使いつくられている」化粧品の事を指します。
海外では、オーガニックコスメを名乗るには、政府機関や認証機関による厳しい基準が設けられている国もあります。
しかしながら、実は、日本には化粧品に関する「オーガニック認定」の基準はありません。
食品には、農林水産省が定める「有機食品の検査認証制度」がありますが、化粧品にはそういった制度は無いのです。
なので、各メーカーが独自の基準で「オーガニック」をうたう事ができる為、例えば多数の成分の中で、たった1つだけ、オーガニックの植物由来原料をわずかに配合しただけでも「オーガニックコスメ」として販売する事も出来てしまうのが現状です。
オーガニックコスメとナチュラルコスメ、ケミカルコスメどう違う?
「オーガニックコスメ」と混同されやすい「ナチュラルコスメ」そして一般的に広く流通している「ケミカルコスメ」の違いって?
その違いを分かりやすくご案内します。
① オーガニックコスメ
主に「化学農薬や化学肥料を使わない有機栽培で育てられた植物由来の原料」を用いてつくられている。
② ナチュラルコスメ
主に「動物由来・植物由来・鉱物などの自然由来の原料」を用いてつくられている。
③ ケミカルコスメ
動物・植物・鉱物などの自然由来の原料も使用しているが、化学的な方法で合成した成分も配合している
オーガニックコスメとナチュラルコスメは似ていますが、原料の栽培方法などに違いがあります。
住み分けを理解して、ご自身のライフスタイルや希望する条件に合う商品を選びましょう。
オーガニックコスメの選び方
先述の通り、日本国内にはオーガニックコスメの定義が無い為、「オーガニック」を謳う多くのコスメの中から納得できるものを選ぶには、確認すべきポイントがあります。
- 全成分表示を確認する
- 使用している植物にアレルギーや自分の肌との相性が合わないものが無いか確認する
- 原料の産地や製造地
- 使用期限の目安や保管方法
① 全成分表示を確認する
オーガニックコスメは、こだわりの成分を使用している為、通常、全成分が表示されています。
成分を確認すれば、化学成分を配合しているか否かが分かります。
② 使用している植物にアレルギーや自分の肌との相性が合わないものが無いか確認する
良く使用される、ラベンダーやオレンジなどの精油、大豆エキスなどの他に、化粧品には多くの成分を配合しています。
予め、自分に合わない成分が分かっている場合、配合の有無をしっかり確認しましょう。
③ 原料の産地や製造地
いくら原料がオーガニックでも、やはり産地や製造する際の環境に安心できる方が良いですよね。
気になる方は、 産地や製造している環境なども確認すると尚安心です。
④ 使用期限の目安や保管方法
合成の保存料や防腐剤を配合していない為、一般的な化粧品よりも使用期限が短いものや冷蔵庫での保管が必要なものなどがあります。
事前にしっかりと確認し、使用期限や保管方法などを守って安全に使用しましょう。
オーガニックコスメをおすすめする方、おすすめしない方
ここまで目を通していただいた方は、オーガニックコスメについて、かなりご理解いただけたかと思います。
改めて、オーガニックコスメの使用がご自身に合っているかどうか、以下をチェックしてみてください!
○ おすすめする方
- 合成由来の成分による肌のトラブルが心配な方
- 化学物質過敏症などで、化学的な成分を避けたい方
- 原料の栽培方法による残留農薬などが気になる方
- 環境に配慮した生活を心掛けている方
- 化粧品の管理が手間ではない方
✕ おすすめしない方
- 好みの使用感や香りなどを楽しみたい方
- 使用期限や保管方法などの管理が手間だと感じる方
- スキンケアのコストを抑えたい方
- 肌悩みへの働きを少しでも早く実感したい方
オーガニックコスメのメリット・デメリットのまとめ
様々な化学物質や添加物があふれ、肌や身体が敏感な方々が増えている昨今。
肌への作用が穏やかなオーガニックコスメは、原料の栽培工程から日々のお手入れの後まで、敏感な方でもより安心して使用する事ができる救世主のような存在だと思います。
毎日使用するものなので、コストや手間がかかる等のデメリットもありますが、それを考慮してもオーガニックコスメから得られるメリットが上回る方も多くいらっしゃるでしょう。
大切な肌や環境の為、より納得のいく化粧品を選び、未来の肌を生き生きと輝かせてあげたいですね!